Age of VF Wrangler!! | |||||||||||||||||||||
1980年代は1970年代より続く近代化とファッションの多様化と変化の中、ウエスタンウエアの王道ブランドとして既に得ていた地位をより確実にした時代と同時に大きな変動、改変の時代でもある。 80年代前半の商品構成は70年代終盤のラインをほぼ継承しながらも、Jeansのインシームをダブルステッチからロックミシン縫製へと簡略化させ、飾りステッチも機械制御の自動ミシンにより縫製される、クロスしないサイレントWになる。 Jacketではトリプルステッチがほぼ標準化し、当初は14ozであったブロークンデニム生地は143/4ozにまでオンスは引き上げられる。 ディティール、生地感、色落ちに関して云えば、近代化の代償としてビンテージに見られる「手作りの温かみ」や「天然素材らしい経年変化」を楽しめなくなる。 更に1986年、Blue bell社はVFCorporationに吸収合併される事により、WranglerはLeeと同様に同グループのブランドとなる。 この前後から、これまでの多品種展開からモデル数が大幅に整理される事になる。 80年代終盤にはDenimJacketは1種類(同デザインでライナー有無、素材等でバリエーションは存在する)になり、Jeansでは11MWZが生産中止になり、他社よりも長期間継続されていたベルボトムJea ns(Western Flare Jeans)も姿を消す等、激動の変化の時代となるが、この時期に確立されたラインナップは10年以上経過した現在でも維持され、新しい定番として確立されている。 |
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11MWZ(1980's) | |||||||||||||||||||||
フラッグシップモデルとして君臨してきた11MWZもその役目を終えてこの時代を最後に姿を消す。 | |||||||||||||||||||||
13MWZ(1980's) | |||||||||||||||||||||
11MWZの後を引き継ぎ、ウエスタンスタイルの王道として存在する定番モデルがこの13MWZ。 | |||||||||||||||||||||
936DEN(1980's) | |||||||||||||||||||||
ラングラーを代表する定番スリムフィット・ジーンズ。 | |||||||||||||||||||||
910DEN(1980's) | |||||||||||||||||||||
トリプルステッチが映えるスリムフィット・ジーンズ。 | |||||||||||||||||||||
Corduroy Jeans (1980's) | |||||||||||||||||||||
ブロークンデニムと共に70〜80年代を代表するコーデュロイ素材のジーンズ。 | |||||||||||||||||||||
125MJ(1980's) | |||||||||||||||||||||
80年代半ばに登場したデニムジャケット。 | |||||||||||||||||||||
126MJ(1980's) | |||||||||||||||||||||
124MJのデザインを引き継いだ80年代を代表するデニムジャケット。 | |||||||||||||||||||||
74301BN(1980's) | |||||||||||||||||||||
124MJのコーデュロイ素材タイプ。 | |||||||||||||||||||||
74142NV(1980's) | |||||||||||||||||||||
11MJZの最後の血統、80年代のジッパージャケット。 | |||||||||||||||||||||
74571PW(1980's) | |||||||||||||||||||||
21世紀へも続くVF時代の定番デニムジャケット。 | |||||||||||||||||||||
Vest(1980's) | |||||||||||||||||||||
デニム、ナイロン等、ラングラー製のウエスタンベストたち。 | |||||||||||||||||||||
127MW(1980's) | |||||||||||||||||||||
現代にも続く定番ウエスタンシャツ。 | |||||||||||||||||||||
Long sleeve shirt (1980's) | |||||||||||||||||||||
127MW以外の長袖シャツ類。 | |||||||||||||||||||||
Short sleeve shirt (1980's) | |||||||||||||||||||||
カジュアル色の強い半袖シャツ類。 | |||||||||||||||||||||
1980年代のもう一つの特徴は姉妹ブランドであるMaverickのブランド活動休止である。 又、80年代末から90年代初等にかけて日本では当時の日本法人「ラングラージャパン」の企画、生産による「復刻ラングラー」「復刻マーベリック」が次々と販売される事になる。 所謂、古着ブーム、ビンテージブーム、復刻ブームに影響を受けた流れだが、リーバイス社と異なり、あくまで日本企画の商品群で何れも日本製で、アメリカ製は存在しない。 *注 一般的に1970年代以降のアメリカン・クロージングをビンテージと呼ばれない。 物によりビンテージの基準が異なる古着の価値観において、70年代、80年代でも充分ビンテージと呼ばれ評価されている物もあるのは確かだが、デニムに限って云えば、70年代以降の確実に近代化した衣類は、オールド又はレギュラーと呼ばれ分類されるのが妥当だとされるが、現代が進行形である以上、オールドとレギュラーの区別は普遍的ではなく、オールドそれ自体でさえ、ビンテージとの区別が曖昧で難しい。 便宜上、当サイトでは、ビンテージの枕詞をタイトル等に付け、現行品や復刻品と区別する事にしている。 ラングラーデニムの一般的な分類としては60年代までの左綾デニムの時代をビンテージ、70年代から80年代前半までのブロークンデニム時代をオールド、80年代半ばのVF時代から現代までをレギュラーとするのが主流のようだ。 ◆80年代の主な出来事〜 1980年 ブルーベル社はジャンセン社を吸収合併する。 1986年 ブルーベル社がVFグループに吸収される。 VF編入後、11MWZ生産終了。 126MJ等も生産を終え大幅なモデル数の整理が行われる。 マーベリックも活動を休止し、この頃からインサイドシームがインターロックに変更される。 |
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