Wrangler 13MWZ(1980's)
現在でもそうであるがカウボーイ協会公認の正にカウボーイ専用ジーンズ13MWZ。
その1980年代前半モデルだ。
1960年代半ばのモデルチェンジの際に登場し11MWZの後継モデルとして誕生した13MWZは誕生後、ほとんどスタイルの変化がないまま現在まで生産が続けられている。
誕生当時との最大の違いは1980年代モデルは当然、生地がブロークンデニムである事だ。
その生地の硬質感は14オンスを勝る、14 3/4オンスのランダム350デニムが使われている。
両シーム。
アウトシームは旧来と同じく巻き縫いのダブルステッチだがインシームはロック縫い縫製に仕様が変更されている。
1980年代の初期には両サイドシーム共にダブルステッチの物も見られたが途中から仕様変更され、この様式は現在まで継続されている。
ラングラージャパン時代には「インシームはソフトタッチ〜」と紹介され、生地が巻かれていない分、素肌の脚への摩擦感が少ないと云う、穿き心地の良さをアピールしている。
強度が落ちたのは事実だと思うが、デニム生地自体の質が向上し、スパンの縫製糸やミシンの質も上がっている事から現状でも過剰な程に丈夫で別にダブルステッチにしなくても充分、激しい労働に耐えれるだろう。

インサイドタグ。
1970年代の消失しやすい印字タグよりも丈夫になり文字も全文、確認出来る。
バックポケット。
形、サイズ等、基本的に何も変ってないし、以後にも変化は見られない。
ただしこのモデルで珍しいのはサイレントWがクロスした古いタイプである事だ、この時代では一部の11MWZくらいしか見られず非常に珍しい。
1980年代においてスタイルまで同一化した11MWZと13MWZの違いは「サイレントW」で区別が付くと思っていたがこの何でもない一本のジーンズによりその知識が確実なものでなくなった。
ただし基本的にクロスしている古いサイレントWは11MWZの方が多く見られる。

織りネーム。
定番の黒タグだが、この時代の物は特に大きい。
ジーンズのサイズに関係なく同じパーツを使っている為、小さめなサイズだと異常にデカク感じてしまい、見慣れたマイサイズではありながら違和感を隠せない。
尚1980年代半ばくらいには更に巨大化している。

ジッパー。
既にジッパーテープはキッチリと中にしまわれ素材も化繊になり現代的だ。
使われているジッパーはタロン社製オートマチックタイプでこの年代らしくないが、以後のラングラーネームや現在のウエスタンブーツの図柄のYKK社製が登場する以前は、かなり多様なジッパーが使われ、統一感が何故か全くなく他にもスコービルのカムロック、タロン42、YKK等など・・と云う具合だ。
スレーキー。
1970年代同様に化繊系統の素材で丈夫だが毛玉が出来、肌触りは良くない。
英数字の印字が見られる物が多いがこれには見られない。

余談ですが、フロントポケットに手を入れるクセがないので正直、手触りの悪さはどうでもイイですが、やはり、やたら手を入れるクセのある人には嫌な素材でしょうか。
【購買手記】
名古屋市内の古着屋で数年前に購入しました。
無茶苦茶安かったので、サイズが小さいので穿けないと思いながらも他のついでに試着したら、タイトながらも穿けました(笑)。
スタイルに関してですが実はこの13MWZ、同時代の最終11MWZと同じだけではなく、同じく同時代のタイトフィット・ストレートの936DENのワンサイズ下とも同じです。
これはW27インチですが936DENのW28と比べると全く同じでした(笑)。
普段、マイサイズ以外は興味を示さない=所有していない=比べようがない、ので気付きませんでしたがこんな事もあるようですね〜。
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