Wrangler 910DEN(1980's)
1980年代前半、VF傘下になる前のジーンズ、910DEN。
タイトフィット系のラインでそのスタイルはスリムに近い細身だが実際のところ、13MWZのサイズを一つ落としただけに過ぎず、910DENのW29表記は13MWZのW28表記と全く同一だったりする。
こういったところはVF以後〜でも見られるとことだ。
デニム生地はブロークンデニムだがフレア系&タイト系に見られるストレッチ感の強い物で同時期の13M WZらに採用されていたWrandom350DENIM(14 4/3oz又は14oz)とは明らかに違い、No-Fault Denim 14ozが採用されている。
インサイドタグ。
70年代末期から80年代前期に見られる傾斜したラングラーでサイズ表記、ロットナンバー等が確認出来る。
印字の弱さから70年代ぽい感じはするがデニム生地の色目や質感から80年代に突入してのモデルと推測出来る。
とにかく生地のフラットさは一切パッカリングが起きておらず、生地裏のゴワ感も皆無でおよそジーンズの生地とは思えない(我々の主観では、だが)質感でその均一ぷり、変化の無さには商品としてのある意味での完成系を思わせるが・・
ジッパーは珍しいラングラー・ネームのカムロック式ジッパー。
表面には傾斜したロープロゴが刻印され、摘みを挙げると裏面にはIDEAL社のロゴが入る。
この時代はリーバイス、リーも自社ネームを刻印したジッパーをオーダーしているが市場では他社ネームとまだまだ混ざった状態で販売されていた。
ラングラーも同様だが、他社と比べると自社ネーム入りの普及度はかなり低いように感じる、事実、市場ではほとんど見ない。
ともかく生地感は悪い、いやこれはビンテージを志向する我々の勝手な価値判断に過ぎない、当時としては〜衣類本来の意図としては理想的な姿でもある。
生地自体には厚みがあり14オンスだと直ぐに分かるほどだが厚みの割に張りが全くなく、その柔らかさや伸びからストレッチデニムの仲間だと分かる。
同デニムは70年代にも存在しているが名前が同じだけで全くの別物だ。
色落ちに関しては古着で見られるようにあまり期待出来ない、事実パッカリングは皆無で張りのない生地はアタリどころか皺すら定着しづらい。
ただし縦落ち感は多少あり、蛍光剤入りの洗剤でさえ洗わなければ、そこそこの表情はするだろう。
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