Wrangler 936DEN(1980's)
ラングラーのスリムフィットのウエスタンジーンズ、936DEN。
1980年代後半のジーンズで、ブルーベルからVFへ移行後のモデル。
デニム生地は14 3/4オンスのブロークンデニム。
フラットで硬質な生地感は工業製品的な良さに溢れているが、古い時代の生命感を感じさせるデニムの風合いを好むユーザーには、好まれないだろう。
モノ的には90年代の同モデルとほぼ同一で、13MWZらと共に現代のラングラーでも代表的であり、この時点でも完成されたジーンズの一つだと云える。
脚〜裾。
インシームはロック縫いに簡略化され、アウトシームのみ、ダブルステッチ。
80年代途中から現代へと継続されている仕様だ。
90年代のラングラージャパンのカタログには、「内側はソフトタッチ〜」等と明記され、丈夫さよりも、タイトに穿いた際に生じるストレス軽減の効果を強調している。
ビンテージと違い、硬く分厚い生地を採用しているが故か?
裾はシングルステッチ。
他社よりも早く、50年代には裾の処理をシングルステッチにしていたラングラーなだけに、当然の処理だ。

インサイドタグ。
ジッパー裏に付くタグは素材の質、印字技術が向上し、直に剥がれたり文字が消えたりはしない。
表記のブランド名はロープロゴが廃止され、○Rや、Brandの表記等、微妙に変化しているのが確認出来る。
ジッパー。
スコビールのカムロク式ジッパーを採用。
この時代では、現代でも見られる、ウエスタンブーツのイラストが彫られているUS-YKK社製ジッパーが登場する頃だが、懐かしいジッパーを採用しているのが嬉しいところだ。

織りネーム&プラパッチ。
80年代に入ると織りネームが巨大化し、○Rの位置が下から上に移動している、どこか大雑把な印象を受ける。
プラパッチは、四隅の角が取れた程度で変化はあまりなく、継続して採用され続けられる。
サイレントW。
80年代からは現在へも継続採用されるクロスしないステッチ。
丈夫なスパン糸の為、色抜けやホツレはほとんどない。
ラングラーの定番スリムモデルだが、同時代に12MWZもまだ存在しており、そのスタイルや役割の違いがハッキリしない。
ただ、同時代の13MWZのワンサイズ下と比較すると形紙が全く同一なのに驚かされる。
ただし90年代〜現代にかけてスタイルに変化があるかまでは未確認。
又、21世紀も数年が経過し、遂にラングラーのジーンズも本国アメリカでの生産を中止し、南米製移行しているので、それにより、又違いが生じているかもしれないですね。
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