Wrangler 11MWZ(1980's)
11MWZの最終モデル、フラッシャー付きデッドストック。
ウエスタンカットのスタイル名が明記されているが形紙は70年代までと異なり、実は13MWZと全く同じになっている。
ラングラーの場合、11MWZ、12MWZ、13MWZ、14MWZ等のメンズモデルの違いはスタイルだけでディティール、パーツでは区別がほとんどなく、品番が確認出来ないユーズドだと区別するのは元々、難しい。
で、この最終11MWZの場合、何故かスタイルまで13MWZと同じになっているので、品番が見えないと更に区別するのは難しくなっている・・まあ、生産量の関係で、古着市場にあるラングラージーンズは基本的には13MWZばかりですが。

基本ディティールは70年代と大差ないものの、現代へも通じるか箇所としてロックミシン縫製されたインシームとこの時代、他社ではあまり見られないタロン社製セミオートマチックジッパーが確認出来る。
ジッパーに関して云えばこの時代が一番混乱しており、多様なブランド、メーカー、タイプが新旧ごっちゃで採用されいる。
デニム生地は、14 3/4オンスのブロークンデニムに変更されている。
オンスが上がった分、生地は分厚く硬く丈夫になっている代償として、肌触りや柔軟さが失われている。
又、フラッシャーには、「ランダム350デニム」と表記され、以前の350デニムとの差別化をしているようだ。

画像ではフラッシャーが邪魔で見えませんが、サイレントWはクロスした古いタイプを採用している。
何故か11MWZの場合のみ飾りステッチが古い仕様になっており、他のモデルでは、はあまり見られない。
11MWZのみ違うミシンで縫う手間をあえて、この近代化した生産ラインで行う事を認めたのだろうか?
それはちょっとありえない。
むしろ、製造工場やラインにより新しい電子制御式のミシンが不足した結果として、このような11MWZが大量に存在すると考えるべきでしょうか?


*ラングラーを代表するジーンズ、11MWZは60年代で消滅し、Leeの101の如くビンテージの世界にしか存在しない、ように以前(90年代のビンテージ・復刻ブームの時期)は云われたが実際にはこのように、70年代以降も細々と存在しつづけた。
ただし、80年代半ばには消滅し、今では存在していない。

今では11MWZがラングラーの代表モデルであった期間よりも13MWZが代表モデルの期間の方が長くなり、今後も続くであろう現状でありながら、日本では13MWZよりも11MWZの方が知られているのは、90年代にラングラージャパンの手により日本版11MWZが日本で製造、生産販売されていた為だ。
基本的に本家アメリカ版の系譜に位置しない亜流モデルとも云えなくはないが、復刻や別モデル、タイプ違いを含めても約10年前後の期間において生産販売され、ビンテージや復刻のブームの中、一般的に知られるようになった。
ただし、現在のラングラー日本法人(リージャパン)では、レギュラーモデルで11MWZを発売しておらず、いつまで販売され続けるか不明瞭な復刻モデルのみの展開だ。
いずれ又、11MWZの名前が幻になるかもしれない。

フラッシャーの上部にはロデオチャンピオンの顔がプリントされているが、随分と過去のチャンピオンで実は年代判定の基準には全くなっていない。
フラッシャーを毎年、ロデオチャンプに合わせて変更していたのは60年代前半くらいまでのようだ。
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