Wrangler 20MJL(1960's)
1964〜65年にかけて行われたモデルチェンジの際に、8MJLの後継モデルとして登場したのがこの20MJL。
111MJが124MJにチェンジしたのと同様、胸ポケットが一つ追加になり合計4ポケットになる等、変化が見られる。
その後の時代も124MJと共に継続生産されるが60年代のタイプは以後と異なり腰にアジャスターボタンは無い。
全体的にあまり変化が無いように見れるが着てみると身幅が若干ルーズになっているのが分かる。
現代がそうであるように時代が新しくなると徐々にジャケット類の横幅は大き目になっている。
ブランドタグ。
ベル付きの最後のタイプを採用している。

織りネームタグ。
ラングラー初のピースタグがリーバイス等がポケット横に付けるのに対してジャケットでは左胸ポケット上、ジーンズでは右ポケット上のヨーク部分に配置されている。
白地にロープロゴでブランド名が入る最初のタイプで、これもモデルチェンジの時期に新たに登場したパーツだ。
ただし同時期でも、あったりなかったりする。
又、60年代終盤でも付いていないケースや黒地にチェンジした70年代以降でも白地のタイプが付いているケースもあるので、正確な年代判定の根拠にはならない。
胸ポケット。
定番の形状ですが、飾りステッチを含めた縫製の丁寧さでは60年代は一番だと思います。
サイレントWの形も美しい。
より近代化している筈の70年代以降のほうが雑な物が多い。
縫製糸は大半が(全てか?)スパン系で退色やカスレは期待できないが光沢感の無い色合いは決して悪くない。

デニム生地は左綾のジェルト系デニム。
70年代の初期くらいまでは継続して採用されていた。
60年代後半の綾デニムは縦落ち感が弱まっており、70年代の綾デニムも同様である。
縦落ち自体は70年代初期のブロークンデニムの方が豪快で鮮やかだ。
両腕の付け根箇所にはダブルステッチの上をランダムに走る紺色の補強ステッチが確認出来る。
手作業によるそれはヴィンテージならではのそれで同じ間隔で縫製されている物は一着もない。
さて、外観からは通常の一枚生地のG−ジャン同様、生地を折りたたんで巻き縫いのダブルステッチが掛けられているように見えるが流石にこの年代になると生産性向上の為、縫製工程が変更されている。
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