Wrangler 111MJ(1950's)
ラングラーのフラッグシップモデル11MWZのジャケット版がこの111MJ。
復刻、ヴィンテージ実物に限らず、よく11MJと誤解されていたが11MJは直にモデル名を変更しており1950年代では既に111MJとなっていた。
11MJ及び初期型111MJに共通するこのようなデザインのジャケットは俗称で「ファースト」と呼ばれ、ロデオ・ベンによりデザインされたとされるラングラーブランド・スタート時期から継続する純血種のモデルとされる。
このデザインは同時代のリーバイス、リー等の大手他社とは全く異なるラングラー独自のデザインでありジーンズ同様に斬新であり画期的であった。
平置きの画像では分かりづらいがかなりタイトで身体にフィットする筒状にボディー形状はなっており他社の箱型とは違い着易く両胸ポケットは身体のラインに沿って胸部外側に沿うようにフィットする。
ファッション性も高く、後年、デザイナー系等、非アメカジブランドで模倣されている事が多々見られ、ジョン・レノンが愛用していた事でも知られる。
基本的なデザインは11MJと変化ないがファースト特有の縦長の形状は以後のモデルには見られないヴィンテージ・ラングラー固有のものだ。
フラップはラングラーを象徴するウエスタンシャツのパーツではるスナップボタンを採用し以後111MJに限らずラングラーのジャケットの胸ポケットはスナップボタン式が主流となる。
又まだこの時代ではペン挿しはない。
ファーストの特徴として胸ポケットのフラップのダブルステッチがそのままポケット本体を縫い止めるステッチへと流れるように縫製されている事だ。
円形のスナップボタンはジャケット用の大型タイプ、ラウンドした形状は突起によるマイナス面をなくした当時としては画期的なパーツだ。
ロープロゴでラングラーのブランドネームが点状の刻印で描かれている、これも以後へ続く伝統のパーツだ。

縫製糸は総綿糸縫製でところどころ解れが見られ全体的に退色しイエローステッチぽく見えるが実際にはもう少し濃い色合いだったと思われる。
パッチ。
首元のパッチは横長のプラパッチからクロスパッチに変更された初期のタイプでこの111MJが50年代半ば以降、だいたい1955年から57年くらいの物だと推測出来る。
プラパッチよりも丈夫で残っているケースが多い。
又、細かいデザインも時代により変化しているので年代判定の基準になる。
ただしボディーとは合わないタグを付けているケースもあるのがヴィンテージなのでこれだけを拠所にしてはいけない。

胸部分のプリーツはラングラーらしい丸カンヌキで留められている。
ブルーベル社では代表的な縫製でラングラー以外のブランドでも多様されている。
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