Gold period of Wrangler!
	４０年代末にスタートしたWranglerだがマスコミ、イベントを通じた宣伝や多彩かつ斬新な新商品の販売により絶大な人気と評価を得たのがこの５０年代だ。 後発のブランドでありながらウエスタンウエアとしての不動の地位を得て、リーバイス、リーを追い抜く足がかりを築いた時代だ。 又、ビンテージ市場で今日、名品として高い人気と評価を得る逸品もこの年代の物が多く、復刻商品やビンテージレプリカ・メーカーもこの年代のモデルを元にする事が多い。
	ジッパー装備になった11MWZは５０年代初期と半ばの二回モデルチェンジをしている。 今回、紹介するのは５０年代でも後期のモデルで現在販売されている復刻モデル（エドウィン商事製）のオリジナルにあたる年代の物。
	１９５０年代後半のキッズモデル、ただしサイズはメンズの最小とほぼ同サイズのタイプ。
	インディゴブルーに続くカラーとして登場したフェイドブルーデニムはジーンズのカラー化の歴史の中、それをより促進させた。
	11YWZ(1950's)
	商品展開はメンズのみならず、レディース、キッズ、ユース等、多彩で多様な商品展開を誇る。 11YWZは11MWZのユース版でちょうどキッズとメンズを繋ぐサイズ展開の商品だ。 キッズと違いメンズとディティール上の違いはない。
	111MJ(1950's)
	５０年代に入ると直にモデルチェンジを行ったWranglerだがジャケットは何故かジーンズと違いモデル名も変更になった。 それがこの11MJの後継モデル111MJ。
	12MJZ Champion jacket(1950's)
	ブルージーンズを象徴にしながらも「ジーンズのカラー化」を率先したらWranglerはデニム以外の素材を積極的に採用した。 この12MJZは11MJZの赤色サテン版で背面や肩袖にチェーン刺繍やワッペンでカスタムされており、このようなカスタムモデルを”チャンピオン・ジャケット”と呼ぶ。
	888MJL(1950's)
	111MJのライナーモデルが888MJL。 Lはライナーを意味し、当モデルはゴールドライニングに続く二代目モデルにあたる。
	11MJZ(1950's)
	初のジップフライ・デニムジャケット。 以後、111MJタイプと共に定番デニムジャケットの基本モデルとして君臨した。
	27MW(1950's)
	ラングラーの定番にして名品ウエスタンシャツ。
	５０年代に入るとデニム生地にも改定が行われる。 オンスが若干上がり、１１オンスから１３ 3/4オンスになる。 色地自体にはあまり変化はないが未洗い状態での色合いが、より青味が強くなっている。 ジャケットのモデル数が増え、ウエスタンシャツも販売しだす等、多様化する商品の中、デニム素材のJeansは11MWZ、11MWの二種類のみ。 他は22MWZ、33MWZ等の異素材モデルが中心だった。 当時のサイズ展開と価格は以下のように記録されている。 ・ラングラージーンズ　メンズＷ３１〜４２　＄３．６９ ・ラングラージャケット　メンズ３０〜５０　＄４．２９ ＊注 Wranglerと云う牧童を意味するブランド名は社員投票で決定したと云われるが、そもそもこのブランド名は伝説の機関士、ケーシー・ジョーンズをブランド名の基とするケーシージョーンズ社が１９０５年に商標登録したブランド名で１９２９年にはワークウエアのブランド名として使われていたが。 １９４３年にケーシージョーンズ社がブルーベル社に吸収合併されると、ブランド自体はここで消滅となる。 戦後、ブルーベルの手によって復活したラングラーは名前こそ同じだが全くの別物と云えるだろう。 又、ケーシージョーンズの会社名は消滅したがブルーベルが展開していた数あるワークウエアブランドの一つとして、ケーシージョーンズの名前は戦後も活用されていた。 ◆５０年代の主な出来事〜 １９５０年 　　　　　　レザーパッチがプラパッチに変更され、ロゴはプリント。 　　　　　　１１ＭＪの品番が１１１ＭＪに変更される。 　　　　　　１１ＭＷＺのトップボタンが銅褐色から銀色に変更される。 　　　　　　ＴＶキャラクター「ホバロング・キャシディ」に衣装提供。 １９５１年 　　　　　　プラパッチのロゴがプリントから刻印に変更される。 １９５２年 　　　　　　１１１ＭＪのライニングモデルが登場する。 　　　　　　ラングラー初のデニムシャツ、２７ＭＷが販売開始。 １９５５年 　　　　　　ギミーブックにロデオシリーズが登場する。 　　　　　　ジャケットのプラパッチからクロスパッチに変更される。 １９５６年 　　　　　　ジッパーモデル１１ＭＪＺが販売開始。 １９５７年 　　　　　　フェイドブルーデニムを採用した２２ＭＷＺ販売開始。 　　　　　　同時期に異素材モデルが各種販売される。