Wrangler 11MWZ(1950's)
50年代後半の11MWZ、ラングラー史上では一番脂の乗りきった時代の11MWZとされ現存数は極めて多い。
ボロボロに穿き込まれていても生地の張りや縫製の強固さではリーバイス、リー以上では?と感じます。
スタイルはカウボーイ向けの完成したシルエットであるウエスタンカット、腹部の安定感と防御の為、ハイウエストで股間部分のだぼつきがなく、ウエスタンブーツ収納に適した裾幅を持つ脚のラインはパイプドがかかった太めのライン。
11MWと異なり品番末尾に"Z"が追加された11MWZたる証はジッパーフライである事。
物作りには意外と保守的なリーバイスと異なり既に1950年代では既にラングラーでは一般化したディティールであると同時に象徴するパーツでもある。
そしてそのジッパーはグリッパーネームのカムロック式ジッパーを採用、裏を見るとスコービル、USAの表記が確認出来る。
ジッパーテープは紺色のコットン素材でやたら色落ちするがまだ色落ちが進んでいないので元の色合いを維持している。
合成皮革製ラベル。
革パッチから合成素材に変更後、二番目のタイプ。
ラングラーの母体であるブルーベル社のマークとロープロゴと呼ばれる縄文字でブランド名が刻まれている。
1960年代に入ってもほぼ同じデザイン、材質で継承されるがまだ○Rがないのが1950年代の特徴で大雑把な年判定の基準。
1950年代初等の物は薄いプラスチックのパッチで割れ易く、プリント印字の為、文字も擦れて消え易い。
その為、改良版として登場したのがこのタイプ。
より柔軟性に富み、文字類は全て掘り込まれているが、やはり割れやすいと云わざる得ない。
特に現代人の場合、右バックポケットにウォレットを入れて生活する等、普段着として発生するストレスや洗濯により、剥がれるケースは当然、否定出来ず、カウボーイのような肉体労働をせずとも維持するのは難しい。
こうしてラングラーもリーバイスが革パッチの変化(破損)を防ぐ事に苦心したように、パッチの素材に今後も悩まされ続ける事になる。
ウエストバンド端に付属した品質表示タグはすっかり原型を喪失している。
パーツ類は定番のそれを当然備えている。
リベット裏はUFO型で被せ式のリベット、スクラッチレスリベットを採用。
総綿糸縫製でステッチは二色使い。
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