パッカリングの出方も申し分ない。
ステッチは退色もしているので多分、綿糸も使われているだろうが当時はスパン糸への移行時期なので総綿糸縫製かは定かではない。
フロントの裏側にはセルビッチが見て取れる、そしてミミはグリーンミミ。
リーバイスの場合、赤ミミである事がよく知られているがラングラーの場合、ゴールドミミ、ホワイトミミが一般的だが1960年代ではブルーミミとこのグリーンミミも確認されている。
1990年代の復刻の際にも確か採用されたケースがあると思う。
で隣に走る青いステッチは生地を本体に縫い付ける為のステッチなので紛らわしがミミではない。
このモデルの最大の特徴は3ポケットである事。
右胸がどこか淋しげだが12MJZだと無くても違和感がないだけにイメージとはそう云うものだろう。
フロントの合わせにはジグザグのステッチが走る、以後の124MJにも継続されるラングラー的なデザインだ、そして胸のプリーツは省略化されてない。
腰の調整機能がないG−ジャンはラングラーの歴史において1950年代のアジャスターストラップが廃止され、12MJZのゴムバンドがフロントボタンのG−ジャンには採用されず、次の仕様が定まるまでの期間に見られる仕様です。
実用的に違和感は全くなく、そもそも以後のストラップ自体が単なる飾りにしかならない事を思えばなくても苦にならない。

縫製をよく見ると表側はステッチが白に近い黄色にまで退色しているがオレンジ系統の下糸は退色してないように見える、多分変色のないオレンジ糸がスパン系だろう。
アメリカの縫製糸はスパン系でも光沢感がなく綿糸と識別し辛いものが多いので安易に断定出来ないがそうそう考えて妥当だと思う。

*綿糸かスパンかの単純な見分け方は燃やす事とされている。
ただし糸を抜く行為はよほど糸がはみ出てないとやり辛いのも確かだ。
又、コアスパンの場合、比率にもよると思うがスパン糸と同じように溶けるように燃焼するのでスパン系である事しか判明出来ない。
色々と試してみるのは楽しいかもしれないが私的にはそこまで執念を持って接する事の難しさも一言添えておく。
inserted by FC2 system