Wrangler 24MJZ(1960's)
同じく1960年代の24MJZを紹介します。
左綾デニムのネジレから正面のジッパーラインが直線になっていないのが見てとれる。
開閉には問題はないがオンスが14オンスになっている分、目の詰まったデニム生地では多少の動かしにくさを感じるは確かだが、それ故に素材感を直に体感出来る。
サンフォライズド加工されたデニム生地とスパン系糸による縫製であっても捻じれ防止加工をされていない古い生地では多少の縮みと捻じれが生じる。
よって巻き縫いされた箇所には見事なパッカリングが走る。
ブランドタグはベル付きタイプでは最晩年のタイプで下部のサンフォライズド表記が省略化されアメリカ製表記が中央に移動している。
この次のタイプからベルが省略化され短期間で更に簡素化さえていゆく。
ちょうど1960年代後半は生産の拡大とパーツの変更が上手くマッチせず時期的に前後する本体とパーツの組み合わせも多く、同時期の24MJZ、124MJではブランドタグ、胸ポケツト上の織りネーム・タグ、ジッパーで個体差が多く意外と楽しめるポイントにもなっている。

ジッパーはタロン社製のジャケット用大型ジッパーを採用している。
ジッパー裏を見るとコットン素材のテープを採用し経年変化しているのが確認出来る。
またセルビッチを微かだが顕示するようにフロントの開き箇所に配置している。
縫製はオールスパン系に移行しており退色があまり見られない、下糸と上糸を意図的に違う色遣いをしているのが見て取れる。

ジッパー裏を見るとUSAの刻印がある。
復刻ジッパーだと刻印がオリジナルと異なる場合がある。
ラングラーらしい伝統のデザインを継承した両胸ポケットはスナップボタンによる開閉。
実用的な便利さ、強度は年数を経た現在でも健在ぶりを誇示している。
そしてオールスパンの強固さは1960年代からだ、光沢感のないスパン糸は一見それと確認し辛くそれが又イイ雰囲気となる。
襟裏には以後の年代では省略化される補強ステッチが入る。
ハンドウォーマーの内ポケットには本体とは異なる軽オンスデニムが仕様されている。
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