バックポケット。
既に定番にして完成されたデザイン&形状だ。
まだサイレントWが交差したステッチを採用しているがミシンの品質向上の効果で非常に綺麗に縫われている。
サイドステッチ。
両足のアウトシーム、インシーム共にトリプルステッチを採用している、パッカリング防止の効果は絶大で全く生じていない。
中央の一本のみデニムとほぼ同色の紺色を採用し、70年代からのスタイルを引き継いでいる。
縫製糸は全てスパン糸で丈夫であると同時に退色は一切見られない。

サイレントW。
前記したように非常に綺麗だ、手操作の下手さ故か70年代のものはほとんどが形が崩れ、中央のクロスがしっかりと形成されていないものばかりから比べると本当に機械的に丁寧で今でいう電子制御のミシンで縫われたのだろうか?
織りネーム・タグ。
白タグを採用している、サイズ、自体等から70年代後半の物とほとんど同じ物が使われている。

プラパッチ。
四隅の角が取れた現代まで通じるタイプ。
よく見るとフラッシャーを取り付ける際にホチキスが貫通している跡が視認出来る。

裾上げ。
オリジナルは当然、シングルステッチで縫い幅もかなり広く雑に取られているが敢えて、旧式のユニオンスペシャルで両シームとのバランスも考慮して10_幅でチェーンステッチで仕上げてもらった。
ジーンズ本体は全てスパン糸で縫製されているので綿糸を使っているのはここだけ、デニム生地自体の問題でウネウネが綺麗に出ない。

スクラッチレス・リベット。
基本的にカウボーイ仕様のデザインを維持しており13MWZら同様のパーツ使いになっている。
唯一の違いはトリプルステッチを多様している事。



※モデル的に80年代前半と云う事でオールドに属するがディティール的には70年代に近い箇所が多く、見た目は良い。
ただし生地感には期待出来るものは全くなく、織機、紡績機共に近代的な機械で作られたものであるのが分かる。
一般的にオールドとレギュラーの差は単品毎にことなり、同年代のラングラーでも、そこそこ良い場合や思いがけず古い生地を使っている物など様々だ。
このジーンズの場合は、あまりよくない、と云う評価になる。
ヴィンテージ・デニムがヴィンテージでもなんでもない時代、その当時のアメリカで企画・開発・製造に関わった方々が本来、失敗あるいは生地としての欠陥が遠く離れた日本でこのような高い評価をされているとは誰が想像出来たであろうか?
そしてこのデニム生地のようにある意味、進化した成功した生地が低い評価を受ける〜なんとも時代の深みと云うか価値観の変動と云うものは面白い。
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