Wrangler 11MWZ(1950's)
11MWZの50年代後半モデル。
既に色が落ちきっておりダメージもところどころあるが、その分年代物であるビンテージの貫禄充分な状態です。
リーバイスと比べるとラングラーのユーズドは『洗い込まれた』物が多い。
その為か、ドス黒く変色した物はあまり見かけない、もっとも青味の強いブルーデニムなので元々が黒々とした青ではないが。
デニム生地の質感ですが、肌に接する裏面はフラットで肌触りは良いですが、穿き込まれた表面はかなりザラザラしており生地の剥離感はリーバイス等のゴツゴツとした手触りとは違うもののビンテージらしい今にはないものです。

ベルトループは伝統の7本タイプでセンターは左にズレれている。
大量生産向きに縫いづらいセンターのヨーク部分と重なるのをさけるようにしている。

縫製糸は総綿糸で退色し、所々解れているが、黄色と紺色の二色使いなのが確認出来る。
バックポケット内の当て布を留めるステッチはボディーのインディゴが抜けるとあらわになる。

プラパッチ。
既に剥がれれてしまい残ってないが色の残りが形跡となっており色落ちのアクセントを付けている。
フロントポケット。
スレーキーを巻き込むように縫製されているポケット縁は丈夫で破れも少なく、又、少々のダメージでも破れが広がる事無くまだまだ実用できる。

脚部分。
全体的に細く長い縦落ちが確認出来る。
アウトシームがオープンシームではないラングラーの場合、キャタピラ状の豪快なアタリが両シーム全域において出ている。
ジッパー。
グリッパーネームのカムロック式を採用している。
既にイイ具合に変色しており、文字の判読がしづらい。
裏側にはスコービル、USAのネームが入る。

ジッパーテープは綿製でかなり色落ちをしている。
刺繍織りのブランドタグはダメージが目立つものの縦ベル、○R無しの1950年代を代表する仕様だ。
トップボタン裏には(2)の刻印。
リーバイスと違い情報が少ないラングラーではこれが具体的に何を意味するかまでは不明。
帯裏は縁を縫い止めず巻き縫いで上下を縫ってから内側に織り込んでLの字の紺色ステッチで仕上げている。
それ故に下段の巻き縫いは反れ帯を縫いきっていない、その外れたステッチはより下を走るケースと帯の下を走っているケースがある。
この11MWZの場合、帯下を走っているので最後のL字ステッチで帯を固定した際に完全に隠れてしまっている。
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