フロント。
コインポケットはなく当然リベットなんて野暮なパーツは付いていない。
サイズ感は単にタイトなフレアと呼ぶにはタイト過ぎるシルエットだ、人によりサイズを上げないと穿けない可能性が高い。
それはラングラーに限らず当時のスタプレ系統のパンツであればどのメーカーであれフレア、ストレート、テーパードに限らず共通の事情だ。
バック。
やはりシンプルだ、そしてベルトループの太さが目につく。
ラングラーネームを唯一誇示するタグが小さく存在感を示している、リーバイスの赤タグだけじゃなく、微かにジーンズブランドらしさをアピールする手法はラングラーにのみならず当時は多々見られた。
トツプボタンはスナップ式、ジーンズのメンズでは珍しいがジーンズ以外のパンツだと実は結構使われているケースが多い。

ジッパーはタロン42ジッパを採用している。
オートマチック機能を実現させたジッパーとして1960年代では広く使われていたが決してその時代だけのものではなく1980年代後半くらまで普通に存在していたかなり息の長い完成されたジッパーだ。
11MWZから13MWZに代表モデルが引き継がれた時代、ジッパーを代表的なディティールとするラングラーにおいて馴染み深いパーツ・・と呼びたいが実はそうでもない。
1980年代以前では装備しているラングラーやマーベリックをあまり見かけない。
1960年代でもグリッパー、1970年代はスコービルがやはり主流だ。
それ故に稀に出会うと新鮮だ。
両サイドシームの縫製。
インターロックとダブルステッチの組み合わせは非デニムの定番の一つ。
1980年代以降の13MWZ等も組み合わせは同じだがインサイドをロックしているのに対してこれら1970年代の非デニムパンツ類ではインサイドがダブルになっているが、無論例外もある。


【購買手記】
数年前(この表現は約10年も存在しているHPでは時期が特定出来ず意味がないですが)に岡崎市の古着屋で購入。
近年、スタプレ系統のパンツは数社で復刻され類似するイメージを背負ったレギュラーカジュアル・パンツが市場にそれないりの位置をえている中、ラングラーでも別注モデルを中心に数種類販売した実績がある。
いずれもシンプルな単色綾織生地でテーパード・スタイルのモデルが多いようだ。
そういう意味ではこのようなワークでないパンツ類もラングラーマニアの皆さんにも正しく認識されていると思う。
1990年代の古着ブームが過ぎ去ってもスタプレの定番化した人気と云うのは不動だ、だがそれらを好むユーザーとインディゴデニムを好むユーザーは何故か明確に分かれていた。
当然私もデニム派なので、お洒落さんが好むスタプレは決して憧憬や強烈な物欲の対象とはならないが、そこはラングラーとくれば手を出さない筈はない。
同年代のジーンズよりも市場価格は安いので一本は持っていても損はしないパンツですね、普段とは異なる着こなしの際に活躍する一本です。
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