腕部の縫いつけの端の補強はバータック、生地、縫製の品質向上により年代的にリベットは必要とされていない。

裾周りはウエスト調整用ストラップがないのですっきりした印象を受ける。
袖口を裏返すと帯部分の縫製が確認出来る。
チェーンステッチで上下を縫い止めているが内側の縫製ラインは端に沿って外れているのがヴィンテージの特徴。
縫製糸は綿糸とスパン糸が混在していると思われる、下糸に関して云えば紺色と白色が採用されている。
フロント側の裾をまくるとセルビッチが配置されているのが分かる。
青ミミと云うところか、リーバイスでは赤ミミが有名にしてそれ以外が稀にしかない事に比べるとラングラー、マーベリックではこの他にも複数の種類がある。
グリーン、ゴールド、ホワイト、そしてブルー他と幾つかあるようだ。
コーンミルズのデニムを使用していたと知られるラングラー、マーベリックだが生地に関する情報も当然少なくその違いの意味合いはハッキリしていない。
セルビッチの更にアップ。
折り返した生地を縫い止めている紺色のステッチとは別にあるブルーミミとでは色の相違がある。
生地を巻き込んで、二本針ミシンによるチェーンステッチ縫製はその強固さからワークウエアであるであるジーンズ及びG−ジャンでは必然の仕様だが特にブルーベル社では多様されラングラー同様マーベリックでも特徴的な縫製とされる。
分厚い生地を巻き込んで更に厚くして縫製をするには手間と技量が必要であり70年代以降は徐々に省略化されてい行く事になる。
50年代よりも簡略化が見られるとは云え60年代のデニムでも充分ヴィンテージらしい手の込んだ作りを見る事が出来る。


マーベリックの1960年代のデニム類はラングラーに比べ市場での玉数は非常に少ない。
ラングラーの姉妹ブランドとして1960〜80年代において数多くのジーンズ、ジャケット、シャツ類を販売していたが全体的にラングラーよりは生産数は少なめに感じる。
物的には飾りステッチ、ネーム類のみが違いでありラングラーのそれらと大差ないが、そういった無為的な存在感故にマニアックなヴィンテージ・デニムとして愛好家も多い。
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