TheWinner Sears Roebuck
ストア系ブランドと云う括りで語られるシアーズ・ローバックス社の19世紀末から20世紀初頭にかけての話題は省略しますが、広く知られている同社が抱えていた数々のプライベート・ブランドの中にはフットウエアも存在する。
古くからジーパースと云うブランドでスニーカーを中心に長期間数々の商品を展開していたが70年代以降はウイナーと云う新ラインを展開していた。
勝利者を意味するこのネームは廉価なイメージからの脱却を意図していた為と云う説がある。
通常プライベート・ブランドの場合、製造依頼したメーカー名が表に出ない場合が多いがウイナーの場合、明確にコンバースとのダブルネームと云うスタイルを通している。
それは即ちデパート専売の低価格な廉価品ではなく当時、既にスニーカー界では世界的な地位にあるコンバース製造である事を強烈にアピールするが為だろうか。
事実、当時のオールスターよりも豪華な仕様でそのこだわりには驚嘆させられる。
シュータンには裏張りが施されアッパーの履き口周囲にはパッドが入れられオールスターよりもカスタムメイドされている。
インソールも分厚くクッション性能もかなり高い。
アウトソールはオリジナル・パターンを採用しヒールパッチも専用のダブルネーム・タイプを採用している。
80年代に入ると遅れながらも当時一般化していたランニング・シューズにモデルチェンジした。
韓国製で作り的にコンバース製造時代ほどの豪華さは失われている。
ナイロンアッパーにフェイクスウェードのアッパー、ソールは単一素材で実用的には完全に時代遅れのカジュアル用だ。
70年代のコンバース製同様にアッパーのデザインを変えたバリエーションは幾つか存在する。
当時では時代遅れの廉価な仕様故にコットン製シューレースの退色ぶりや全体の経年変化は結果的にアジとして中々楽しめる。
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