BlueBell Work Jacket(1960's)
1960年代、ブルーベルのデニム・ワークジャケット。
古くからワークジャケットの定番としてそ存在するスタイルは当然ブルーベル社でも採用していた。
半世紀以上もほとんど外観に変化なく作り続けられた外観がある種の完成されたワークウエアとしての存在感を感じさせる。
ワークウエアが本業であるブルーベルにとりお得意のアイテムではあるが数多くのブランド内ブランドを有しながらもこれまた数多くの他社製品の製造を請け負ってきた実績と結果として全く同一の製品でありながらブランドラベルの張替によって異なるブランドに早変わりする特徴があり、ユーズドでタグが欠損していると正確なブランドが分からなくなる。
ブランドロゴであるブルーベル・マークが入ったパッチが首裏に貼り付けられている。
糊付されている云わばシールと呼べるあまりにも簡素なパーツではあるが40年代には既に使われていたようだ。
縫い付けではない安易なパーツ故、ブルーベル以外のブランド・ネームも存在している。
当然、剥がれ易く、これがないとブランド名不明になってしまう。
ジッパーはコンマー社製のジャケット用タイプを採用している。
襟はコーデュロイ素材でオールコットン故、素朴ながら味わいのある発色をしている。
左胸のポケットには斜めにチェーンジッパーが採用されている。
レザージャケットにも云える事だが欠損し易いパーツで千切れずに残っており有難い。
ジッパーテープは赤色で一見地味なデニムジャケットに華を添える選択だが意外とワーク系でワンポイントに赤いパーツやステッチを用いるケースは意外と多い。
その他のステッチは紺色のステッチでほぼデニムと同色の為、色落ちが進まないとあまり目立たない。

デニム生地は軽オンスでライナー仕様の定番の選択だ。
尚、厳密にはデニム生地ではなくダンガリー生地です。
縦落ち、パッカリングは先ず先ず出ている。
ステッチも上手い具合に退色しており良い風合いが出てきている。
サンフォライズ加工された縮まない生地ではあるが年代物故、防縮加工技術の未熟さから多少の伸縮はあるし、捻じれ自体は解消されていないのでそれなりの結果は自然に出る。

無論、14オンス前後の未防縮右綾デニムの方が豪快で一般受けする色落ちをするであろうが・・
ワークウエアらしいサンフォ済みライトオンス生地ならではの色落ちではある。

同時代のラングラーがオンスを上げるなど進歩的な変化をしているのに対してワークエウアにはほとんど変化が見られない。
時代的に素材やパーツが変化されてゆくとそれに引きずられて変化しているだけで、物自体が主体的に変化、つまりは向上するような改定があまり見られないのは不思議ではある。
inserted by FC2 system