WRANGLER JAPAN124MJJ (1970's)
ラングラージャパン設立初期、1970年代の日本製124MJは細部のディティールから縫製に至るまで本国アメリカ製とは異なる日本独自の製品であった。
デニム生地は国産ブロークンデニムを採用し生産も日本で行われていた。
同時代のビッグジョン、エドウィンらの和製オールドデニムに似た質感を持っている。
ブランドタグは同時代の124MJとは異なる黒タグで、ジーンズ&スポーツウエアの英文が当時のラングラージャパンが抱いていたブランドコンセプトを思わせる。
ボタン類は国産パーツだがほぼアメリカ製と同じだ。
サイレントWの形状は上下の幅が広く大きめに縫われている。
胸ポケットのフラップにペン差しはなく、サイズはかなり小ぶりだ。
フロントをめくるとセルビッチが配置されていない事や帯部分がチェーンステッチ縫いきられていない等、縫製の違いを確認出来る。
この他にも袖と胴体の縫いつけ、両肩のヨークの巻き方向等、日本独自の仕様を多々確認出来る。
WRANGLER JAPAN111MJJ (1990's)
ラングラージャパンが1990年代前半に販売していた4ポケット仕様の111MJは当初は復刻扱いされていたがパーツ、生地、縫製とあまり忠実ではない。
右綾14オンスデニムはムラ糸を使用しているが厚みはあるがフラットな織られ方をしており縦落ちはあまりしない。
防縮加工されたレザーラベルは同時期の11MWZのパーツを流用している。
セルビッチはグリーンミミを使っており、デニムの雰囲気はラングラーらしくない。
ウエストゴムを採用している。
決してオリジナルであるヴィンテージに忠実とは云えないが、情報やノウハウがない中、試行錯誤の段階で誕生したこれら初期復刻モデルはその後の精巧な本格復刻シリーズを生み出す土壌して一時代を築いたデニム群の一つだと云える。
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