Wrangler 11MWZ(1960's)
ラングラーのフラッグシップモデル11MWZの1960年代製造の一本は状態も極上のビンテージ・ジーンズです。
基本的には50年代後半のモデルと大差はないですが、縫製はほぼスパン糸で縫われブランドロゴには○Rが入るなど時代らしい変化が見られる。
スレーキーは極圧なセイルクロスをこの年代でも採用している。
ヨットの帆に採用されている丈夫な生地はカウボーイと云う労働環境の近代化に無縁なハードな男の世界では充分求められるクオリティだ。

トップボタンは銀色から銅色に戻っている。
リベット等、他のパーツ類との色彩的な相性はこちらの方が勝っている為か、以後現代まで継承される事となる。

ジッパーはグリッパーのカムロック式を採用。
外付けのテープはコットン製で変色が本体生地同様の変化をする。
リベット裏はフラットなタイプになっているのが分かる。
ジッパー裏のタグは50年代後半から見られる「斜めベル」と呼ばれる傾斜したブルーベル・マークがあり、○Rが隅に付く。
更に下部にアメリカ製の表記が追加されている。
素材が化繊の為、ほとんど変化は見られない。

デニム生地は14オンスの左綾デニム。
力織機で織られたデニム生地はオンスが上がった為、50年代よりハードな質感が楽しめる。
ただし縦落ち感はやや大人しめになっている。
プラパッチ。
画像では分かりづらいが下部に○Rが追記されている。
ちょうどステッチとかぶり、表面がスレている関係で非常に分かりづらい。
素材感はあまり丈夫ではなく、ご覧のように亀裂が走っている、ビンテージでは70年代以前でパッチが欠損していない物はほとんど見られない、それはこの脆さからだ。

サイレントWは中央の山が50年代のジーンズより低くなっており補強布を止めるステッチを越えない高さまで下がっている。
また縫製糸がスパンの為、色抜けがほとんど見られない。

裾はシングルステッチ。
ラングラーでは年代の古さに関わらず大半がシングルステッチで裾上げをされている。
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