Bata ox shoes(1960's~1970's)
現在ではご禁制の三本ラインがデザインされているスニーカー。
つまりは1970年代以前のモデルとなるがカップ式のソールの型抜きし易い大雑把な形状等あまり60年代らしくなく、もう少し後代のモデルにも見える。
ただしインソールのプリントはかなり古い年代にも見られるデザインを継承しており正直、年代判定が難しい一足です。

シューレースはコットン100%、シューレースホール周囲の補強には布ではなく合皮が使われており、これは60年代ぽい。
アウトソールのパターンはオリジナルのパターンですが溝が少なくかなりシンプル、作り的にも純粋競技と云うよりカジュアルの色彩を強く感じる。
インソールにデザインされている足をイメージしたマークは古い年代のバッシュではアンクルパッチにも採用されている。
インソールは薄手のスポンジソールでクッション性能は低く当時の安価なスニーカーにはよく見られた仕様だ。
アウトソール中央にはアメリカ製の表記が入る。

アッパーサイドのベンチレーションホールは三本ラインの間、絶妙な位置に配置されている。
ご禁制になる以前、アディダス以外にも多くのブランドがアッパーサイドの補強&視覚的デザインとして、この三本ラインを採用していた。(コンバース、ラクロス等)
併し稀に70〜80年代においても冒険的にもこのデザインを取り入れているブランドもあった。
で、このシューズの場合どちらに含まれるのだろうか?
Bata ox shoes(1980's)
これまで紹介したアメリカ製と異なり今度はイギリス製のバータ。
軍納入品とされるシンプルなスニーカーだが何故かインソールにブランド名がプリントされているモデルとされていないモデルがある。
いずれにしてもアメカジではないがアメカジに類似する一足です。
バルカナイズ製法で作られているがインソールのゴムは固くあまり履き心地はよくない。
踵が低めで歩いていると直ぐに抜けそうでホールド感が弱い。
他メーカーでも欧州のスニーカーではよくある事だ、つまりは日本人の足にはあまり合わないと云う事だ。

基本的なデザインは1930年代にデビューしたイギリス製テニスシューズに酷似している。
そしてイギリス製である事はバータが如何に国際的なブランドであるかの証と昨今ではアメリカ製と同じ姿を消しつつある貴重なイギリス製に、マニア心がうずく。
アウトソールはカレンダーソールを採用し、屋外しかもアスファルトではない地面向きのソールパターンが実用的な要素を顕示しつつ、ビンテージマニアを魅了する仕様だ。

軍の放出品と云う形で市場に流通するシンプルなキャンパス・スニーカーはかなりの種類があり出所の国によりどこも個性がり、似たようなモデルでも製造メーカーによるわずかな違いなど見るべきポイントは多い。
又、それらの多くは廉価な造り故に製造年代よりも旧式の製法で作られている場合が何故か多い。
その為さほど年代が古くなくてもビンテージテイスト溢れる造形の場合があり、嬉しいような、そうでもないような微妙な感情を抱いてしまう。
つまりは、どれも履き心地があまり良くないという事だ、大手スニーカーブランドのハイテクシューズで運動するならともかく、本当にこのようなスニーカーで当時運動をしていたのだろうか??
いや、していたとしても今はどうなんだろうか〜疑問はつきない。
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