Cushman 11MJZ type
1997年の設立以来、マニアックな商品展開と雑誌等での宣伝・掲載を拒否する無骨な姿勢で知られるクッシュマンのラングラータイプ、デニムジャケット。
ラングラーの歴史上、代表的なモデルである11MJZをモチーフにしているがデニム生地は現在、同ブランド定番の14oz右綾デニムを採用し縫製パターン等、細かいディティールでは、独特なアレンジを施され忠実な復刻ではないがアジのある逸品です。
デニムの風合いからもリーバイスタイプのレプリカジーンズ愛好者にも馴染みやすいジャケットでしょうか?
所謂レプリカブランドの中では稀な「ジーンズ屋」ではないクッシュマンにとりさほどデニム製品やジーンズへの固執や執着はなく、定番デニムジャケットは一種のみの為、この一枚で多彩な意図を表現する必然から多様な要素を取り入れてしまった格好になる。
その為、忠実なラングラーレプリカを希望する愛好者からの評価は分かれるだろうか。
各種パーツ&ディティール類。
胸ポケットの飾りステッチは平行線のステッチ。
サイレントWではないがラングラーのキッズモデルを思わせる仕様だ。
ブランドタグはローバックス・レプリカモデル等のパーツを流用している。
両型のダブルステッチにはデニムとほぼ同色の紺色の補強ステッチが追加されている。
これは1950〜60年代のデニムジャケット(特にラングラー、マーベリック等のブルーベルのブランド)に見られる措置で、クッシュマンのプロデューサー伊藤氏に助言したところ取り入れてくれた、有難い話です。
ただしビンテージではこのようにダブルステッチの中央を綺麗に縫製されている分ではなく、かなり雑にラウンドした感じで縫われてダブルステッチの外にはみ出している場合も多い、だが、そのようなハンドステッチングの雑さ、しかも個体により差がある仕様を上手く再現するのは難しいようで、結果として中央にステッチが一本追加された感じになっている。
ジッパーはタロン社のジャケット用大型ジッパー(通称、棒タロン)を採用、これもラングラーらしいパーツだ。(ただし最近のロットは異なるジッパーを採用しているようだ)
生地裏。
セルビッジを配置しているのはなんと裾部分の裏折り返し個所だ。
ラングラーではありえあないが、より古い年代のワークジャケットに見られる仕様を盛り込んでいる。
生地自体はスラブ感がかなり強く、そのゴワゴワ、ザラザラ感が特筆すべきものだ、粒系の過剰な縦落ちをする生地だ。(事実しますが写真は生デニムの状態です。)
Cushman 66MJZ type
デニムジャケットと同デザインで素材違いも同時リリースされた。
白サテンと黒サテンが販売され基本的にはデニムと同じですが縮率の関係からサテンの方が大き目です。
素材の違いからセルビッジの露出や補強ステッチがないが、極厚でクッシュマンらしい過剰な素材感の特徴もよく出ている。
時期的には現在、(2007、8)とは違いアメカジやビンテージ等が冷めきっていた時期にこれだけのバージョン違いを思い切ってリリースする姿勢には恐れ入りました。
で、縫製工程の多さから確実にリーバイスタイプより高額になるラングラータイプの必然として、やはり高額な商品でしたが恐ろしい人気でたちまち、完売し、その余韻が覚める事無く翌年以降も継続販売に踏み切った当時の雰囲気が懐かしい限りです。
デニム、黒サテン、白サテンとイッキの同時リリースでしたが、それぞれプレーンと背面チェーン刺繍入りカスタムモデルも販売され都合6種類同時リリースと強烈な勢い&印象だったのが販売当時の記憶です。

背面のチェーン刺繍はブルーデニムは黄色、白サテンは赤色、黒サテンは灰色っぽいカラーとそれぞれ異なる配色でどれも存在感タップリだ。

今でも定番モデルの為、購入が可能だが少数生産のクッシュマン故にいつまで同じモデルを作り続けるかは疑問でいずれはなくなる可能性もある。
興味のある方はお早めに、って具合でしょうか?
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