Wrangler 10oz denim Coverall(197~80's)
1970年代後半から1980年代前半くらいのデニム製カバーオール。
生地は10オンスと軽量でワークパンツ等に採用されている物と同等と思われる。(厳密に云えばダンガリーと呼ぶべき生地だが、当時のラングラーでは明確に「denim」と明記しているのでそれに習っている。他にもワーク系ウエアやウエスタンシャツも同様の表記にしています。)
そもそもラングラーはブルーベルにおけるジーンズ分野、ウエスタン分野の代表ブランドであり、他のジャンルは別ブランドがメイン展開の筈だが、ラングラー自体のネームが大きくなるとジャンルの垣根を越えて様々な商品展開を行う事になる。
そんな多様化した商品展開の中で、このようなワーク系統はらしくないが、そもそもの本流に通じると云うあたりが特徴か?
デザインは同時代のビッグベン等のブルーベルのワークブランドと全く同じで、インサイドタグにラングラーのタグがないと判別出来ない・・こう云ったタグが違うだけの製品はブルーベルで昔からよくやっており、古い年代のワークウエア、ワークジャケット、ワークパンツ等ではケーシージョーンズ、ブルーベル、ビッグベン等のブランドにおいてタグ以外は全く同一製品なんてケースはよくあった。(これに他社から依頼されて製造したブランドを含めるとタグ違いの同一商品類は更に増える)
又、縫製は大半がロックミシン縫製で正に大量生産向けの時代らしい作りです。
ボタン類にはブランド名が明記されていない汎用タイプを採用。
これでインサイドタグとフラッシャーだけ変更すれば幾つものブランドに変化する事が出来る。

バータックは赤ステッチで古い時代のワークウエアの雰囲気とデザイン的な視覚効果を両立させる。
他はワークらしいホワイトステッチ、全てスパン系なので退色やホツレはあまりない。
右胸のポケットはスナップボタンで開閉するフラップだが、シャツ類に見られる小さなボタンでこのサイズのフラップにはやや不向きか?開閉し辛く、破損の恐れもある。

左胸ポケットにはフラップはなくペン挿しがあるだけ。
両腰のポケットもそうだが当て布の補強はなないし、縫製もトリプルステッチは採用されておらずワークウエアとしての強度に関してはかなり不安だが、時代は既に大量生産・大量消費に移行しており、丈夫なウエアを補強しながら長年愛用すると云うスタンスではなく、安い衣類を破れたら次々と買いなおすって具合でしょうか?
又、労働の質の変化が前世紀的なそれら要素を必要としなくなったとも考えられる。
だが、ラングラー本流のウエスタン・ジーンズは多少の省略化はあったものの、他社を凌ぐ丈夫さを売りにしていただけに、衣類のジャンル、用途により異なる思想がうかがい知れて面白い。
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