Wrangler 127MJ(1970's)
個性的なデニムジャケット類を販売してきたラングラーにおいて70年代の半ばに登場した当時の新デザインは意外にもライバル他社の定番ジャケットを模倣したデザインの127MJであった。
基本的には当時のラングラーらしいパーツ、素材、縫製により出来あがっているもののスナップボタンを一切、使っていない等、従来のラングラーからすると異例のモデルであった。
70年代以降、各社がこぞってこのデザインを採用し90年代には既に世界的にデニムジャケットの代名詞となったがラングラーの場合、マーベリック共々やはり模倣していた。
ただし、この127MJは他社の模倣とは異なりラングラーらしい個性の顕示であるロゴボタン、ピースネームは前記の如くそのまま採用している、ただし胸ポケット、袖口のボタンはスナップではない。
又、他社の模倣モデルではありえない箇所として胸ポケットのフラップにはサイレントWが施されている。
ラングラー本来のジャケットではポケット本体に施されているが形状的に難しい為、フラップにされているようだ。
ブランドパッチ。
70年代を代表する黒タグ。
三代目のタイプで1973〜76年に採用されていた。
1973年から75年までの僅か3年間しか生産されていない127MJでは基本的には全てこのタグが付いている。

デニム生地は14オンスのブロークンデニムで350Denimを採用している。
生産時期的に全てそうであろうと推測出来るがマーベリック版ではジェルト系ブロークンデニムを採用したタイプもあるので例外も、あるかもしれない。
*注
この127MJ自体の生産時期は極めて短いが以後、ラングラーとマーベリックにおいて同デザインの非デニム系ジャケットが大量生産される事になる。
その種類も多様で凡そ80年代初頭までその傾向は続き、70〜80年代はラングラーの個性が没してゆく時代とも思える。

又、基本的にそれら異素材モデルにはサイレントWは施されていない。

ブルーベルのブランドでリーバイス風のデザインを取り入れたのは70年代以降とされるが実際には60年代終盤からのようだ。
127MJ登場前にも短期間だが生産されていた形跡がある。



【購買手記】
これも名古屋の古着屋で90年代の半ばくらいに購入。
70〜80年代のVF以前のラングラージャケットは比較的、安値の物が多いので集め易いが何故かこの 127MJだけはマイサイズが見つからず中々手に入らなかった。
理由としては製造期間が少なく玉数的には124MJ等よりは格段に少ないからだ。
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