FULL BACK Turtleneck freedom sleeve(1940's)
1940年代の総二本針縫製のフリーダムスリーブのスウェット。
ただでさえレアなフリーダムで更にレアな首付きタイプ。
40年代にはスウェットの基本パターンは完成されてはいたが、このような後代ではあまり見られない変り種も多いのがビンテージの奥深いところ。
フルバックの刺繍タグは首裏ではなく本体の裾部分ちょうどリブに接する辺りに配置されており取り付け位置が非常に珍しい。
はめ込み式の両Vガゼットと云う王道的なディティールが一般的な時代のモデルだが首部分が伸縮性の強いリブと同じフライス生地の為、ガゼットは省略化されている。
Akom Raglan sleeve(1940~50's)
1940〜50年代に名品を輩出し凡そ1960年代初等には消滅したとされる幻のブランド、アコムの総二本針縫製のラングランスリーブ。
ヴィンテージらしいボックスタイプの型紙でフラットでしっかり目詰まりした生地感は”目詰まり系”等とも呼ばれ”甘織り系”と対をなすヴィンテージ・スウェットの代表的なものだ、そうヴィンテージ=単一的ではない。
多色使いや大胆な切り替えしが特徴のアコムにしてはシンプルな珍しいタイプ。
アコムのスウェットは多くのビンテージレプリカ・ブランドにより復刻されてきたが近年では東洋エンタープライズより実名復刻も販売されているが、やはりこのようなアコムらしくないモデルは決して復刻される事はないだろう。
HANES Wind Shield Raglan sleeve(1950's)
1872年、噛み煙草を製造するメーカーとして誕生したP・H・ヘインズ社。
1901年にP・H・ヘインズニッティング社と社名を変更し本格的にアンダーウエアを生産販売したヘインズの歴史は正にTシャツの歴史そのものとも云える。
チャンピオン社がスウェットの歴史を築いたメーカーならヘインズ社はTシャツの歴史を築いたメーカーだ。
そんなヘインズ社も歴史に名を残す事になるビンテージスウェットの名品をリリースしていた。
それがこのヘインズの名品、ウインド・シールド。
風除けを意味する肉厚ボディーが特徴でプリントタグは50年代後半から60年代初期くらいに見られた。
ヴィンテージマニアには今も昔も評価の高い王道的な逸品でもある。
又、下手上手的なキャラクタープリントも私的にはポイントが高い。
FRUIT OF THE LOOM Set-in sleeve(1950's)
フルーツ・オブ・ザルームのブランド誕生の歴史は古く商標登録されたのは1871年の事。
本格的にウエアメーカーとして始動したのが1938年で以後、スウェット、Tシャツの無地ボディーから様々なカジュアル系衣類をリリースして今に至る。
このスウェットは50年代後半から60年代初期くらいの最後のコットン100%ボディーで前Vセットイン、フラットシーム縫製だが前Vは簡略化された飾りVガゼット、レプリカの悪影響で50年代=はめ込み式両Vガゼットと思い込まれがちだが実際にはそうでなく前V、V無しなどディティール、縫製の多様化が一気に開花した時代でもある。
以後の年代はポリコットン全盛の時代であると同時にセットインからラグランが市場の大半をしめる事となる。
尚、型紙的な特徴を挙げればタイト&ショートなヴィンテージらしい中、腕の付け根から肘までのラインが非常にゆとりが大きく作られている。
RUSSELL Double face Sweat Parker(1970's)
1902年創業、歴史あるラッセル社のスウェット・パーカー。
スポーツウエアとしていつの時代も高い人気と品質を誇った同社の名品、ダブルフェイス・パーカーだが年代故にポリコットン・ボディーを採用し軽量で保温力は高くこれもヴィンテージと呼べるこの時代特有の質感に溢れており洗い込んでも現代衣類のポリコットンのような不浄感ある毛羽立ちはなく一定のヴィンテージ感を維持している。
ダブルフェイス(リーバーシブル)仕様だが内生地はTシャツに使われているグレー霜降りのポリコットン生地で保温性を更に増す効果をもたらしている。
典型的なボックス・タイプの型紙はラッセルの特徴であり素材がコットンからポリコットンに変更されても縦方向に縮み易いのも特徴だ、70年代モデルにしては珍しく着丈が短すぎて場合によりワンサイズ上げないと着れないのはこのパーカーに限らずラッセルの特徴でもある。
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