脚部分。
インサイド、アウトサイドの両シーム共に生地を折りたたんでチェーンステッチによる二本針縫製と云う他社を圧倒的に凌ぐ強固な仕様はラングラー誕生当時から続く伝統のディティールだ。
果たして子供用でも必要な品質かは別問題だが実用の世界で他社を圧倒した誇りある特徴だ。
そして両シームのキャタピラ状のアタリが綺麗に出ている、縦落ちも左綾らしいシャープなそれだ。
スレーキーはメンズ同様、極圧のセイルクロスだが目印の印字は残念ながら消えてしまっている。
染まっていない生地だが天然のスラブがうかがえる。
リベット裏はUFO型を採用しているのが分かる、二個並んでいるのはコインポケットのそれ並んでいるからだ。
ジッパーはヴィンテージの代名詞グリッパーネームのカムロック式ジッパーを採用している。
ジッパー自体も変色しているが、それよりもジッパーテープの退色の方が顕著だ。
コットン素材のテープは見事に色落ちしヴィンテージ・ラングラーらしく右側が外付けになっている。

インサイドタグ。
比翼裏付近に配置され、斜めベル、ロープロゴ、サイズ表記、サンフォ表記が見られる。
ブルーベル・マークが傾斜した斜めベルが使われ始めた1950年代末期のパーツと思われる、全体的に黄色く変色し判読し辛い、尚、サイズ表記は16。
股部分。
内股の縫製はリーバイス・タイプと異なる縫製パターンを採用している、生地をたたんで本縫いを掛けている。
比翼を留めるシングルステッチはデニムとほぼ同色の紺色の為、色落ちが進行しないと目立たない。
こういった些細な所がリーバイス等と外観上の違いを感じる要因の一つだろう。
股部分。
表側から見ると巻き込んだ生地が最も重なる中央部分は大きくズレている。
手間と技量のいる縫製箇所なのでだいたいどれも大雑把に処理されている。

縫製箇所により複数の番手を使用しているがサイレントWの縫製が意外と強固なのに驚かされる。
太番手で丈夫に縫われているとは云えジーンズ本体の色落ちやダメージの進みと比べれる意外だがこれはこの一本に限定した話ではなくラングラージーンズ全体に云える事だと思う。





【購買手記】
栄地区の古着屋で購入。
1万4〜5千円くらいだったと記憶している。
穿ける穿けないのギリギリのサイズに見えたが試着すると穿けたので即買いでした。
基本的に「着れる物しか買わない」主義なので幾ら安くても、幾らレアでも着れないサイズは買わないので結果として着れるボーイズやユースは手を出してます。
ラングラーに限った話ではなく日本人よりも体格の優れた米国人の衣類であるアメリカン・クロージングにおいて一般的なメンズで、しかもワークウエアであるジーンズ類に小柄、痩身向けの衣類が少ないのは必然ですね。
リーバイスとラングラーとのヴィンテージ蒐集で最大の違いは「金さえあれば何でも手に入るリーバイス」と「金があっても物がない、物があってもサイズがないラングラー」と云う事だ。
それ故にマイサイズを見つければ躊躇う事無く手に入れたいものです。
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