ジッパー。
フロントジッパーでの開閉式と云うジーンズのジッパー同様に新しい発想を取り入れたラングラーだが、これも縮まないデニム生地、防縮加工されたデニム生地があってこそのディティールだ。
ジッパー自体はスコービル&グリッパーのWネーム・タイプを採用している、ジッパーテープは綿製で退色していおりビンテージの風合いを目立たない個所でも発揮している。
ジッパーテープの縫いつけはジーンズと異なりかなり綺麗に縫製されていてステッチのズレ、歪みはほとんど見られない。
ボタン式の開閉ではミミが見られる位置だがジッパータイプをよーく見ると生地端がテープ上部に確認出来る。
テープに隠れている為、確認し辛いがセルビッチ付きのビンテージデニムなのが分かる。
サイドゴムとアクションプリーツ。
ラングラーのビンテージジャケットで異彩を放つディティールの一つがこれ。
現代衣類でも決して珍しいディティールではないがデニムジャケットにおいては全く見られないディティールだ。
裁断、縫製の手間を度外視して当時のラングラーでは企画、採用された。
これもロデオ・ベンの案だろうか?
ジッパーフライもそうだが、ラングラーには他の衣類に見られるがデニムジャケット、ジーンズには見られないパーツ、ディティールを積極的に取り入れていたように見える。
袖口。
定番の丸型スナップボタンでの開閉式。
ボタンにはブランドロゴが刻印されている。
リベットもそうだが青錆が目立つ。
この傾向は実は近代のラングラーでも同じで80〜90年代のモデルでも保管状態により錆や変色でイイ味を出している場合もある。

袖口はスクラッチレス・リベットで補強されている、後代ではバータックで補強される事になる。

ウエストゴム。
11MJZではアジャスターストラップに代わるウエスト調整機能として採用された。
身体によりフィットする為の仕組みで従来のデニムジャケットには見られない。
これも縮まないデニムであるからこそのパーツ、未防縮デニムでは洗う度に変化する性質上、タイトな形紙や、それにより破損、不具合を起す素材、パーツは不向きであり、正にラングラーらしい。
ただしこれも現代のラングラーでは見られない、ビンテージのみの、ではある。




*注
リーバイス社のデニムジャケットを分類する俗称として「ファースト、セカンド、サード」と云う呼び方があるが、それをラングラーのデニムジャケットに当てはめて呼ぶ場合、その分類方法は何故か二種類以上の分類方法があり、実は明確な定義、方法ではない。
一般的には11MJを含む111MJを時期ごとに分類する為に「ファースト、セカンド、サード」と呼ぶケースとラングラーのデニムジャケット全体を分類する為に呼ぶケースの二種類がある。
11MJZの場合、後者の分類目的で「セカンド」と呼ばれる場合がある。
それは「ファースト」と呼ばれる11MJ、初期型111MJ等に次に登場したジャケット故に「セカンド」と呼ばれているようだ。
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