Wrangler 12MJZ Champion jacket(1950's)
ラングラーのビンテージウエアの中でも超絶的な人気と評価を得ている物の一つがこのチャンピオンジャケットです。
50年代にラングラーが世界初のジップフライ・デニムジャケットとして販売した12MJZの素材違いモデルが、この赤色サテンの12MJZで、それにチェーン刺繍とワッペンでカスタムしたモデルがチャンピオンジャケットと呼ばれる。
ロデオチャンピオンに寄贈された物だとか、大会スタッフ用、記念商品等、様々な説があるがある意味どれも正解なのかもしれない。
サイズ展開が複数確認されている事から販売もされたであろし、チャンピオン本人にも渡されていたであろう、刺繍やボディーのバリエーションが多い事から、ほぼ毎年用意されていたであろう事も推測出来る。
肩口には111MJ、11MJZと同様にアクションプリーツがあるのが分かる。
時代が進むと非デニム系のジャケット類では省略される傾向が強いが古いモデルはデニムと同様のディティールだ。

胸ポケット。
片側に一つしかない。
スナップボタンでの開閉式でフラップにはセパレート式のペン挿しがある。
飾りステッチは伝統のサイレントWだが縫製糸も本体同様に真っ赤な為、確認しづらい。
又、綿糸の為、本体同様に退色している。
チェーン刺繍のアップ。
巻縫でデザインされた刺繍はワッペンやフロッキーのように大量生産に向かないハンドメイド的な手法だがそれ故に手作りの素朴さと大胆さ、そして迫力が最大の魅力だ。
ウエストゴム。
裾に掛けてタイトなラインを持つジャケットで開閉がジップフライとくれば従来のボタン仕様のG−ジャンと違い腰にかかる部分の幅調整は重大な意味があり当時考えられる最大の機能として外付けのアジャスターではなくこのようなゴムバンドが使用された。
11MJZ同様にこれもG−ジャンではラングラー固有のディティールだ。
ジッパーのテープも赤色を使用しとことん同系色に染め上げている。
カラーデニムの走り的な存在でありながら定番化したアイテムではなく誕生当時から特殊な存在であったチャンピオンジャケットらしい作り手の執着心を感じる。
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